書店サイトで『女忍者秘蜜淫法帳 沙霧姫☆雪肌七変化」がお勧め』なんてイヤすぎる!!

初めて訪れた書店のサイトで、いきなり『貴方には「ダブルインモラル―叔母の寝室・義妹の部屋 (フランス書院文庫)」や「女忍者秘蜜淫法帳 沙霧姫☆雪肌七変化(フランス書院ナポレオン文庫)」がお勧めです』と表示されたらどうだろう?
それどころか、家族のパソコンにもその手の広告がわらわらと表示されたりしたら…。
それが現実のものになるかもしれない。
「ネット全履歴もとに広告」総務省容認 課題は流出対策
http://www.asahi.com/business/update/0529/TKY201005290356.html
該当する総務省の提言案(29Pから)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000067373.pdf
Amazonのトップページあたりはもう洒落にならん状態ですが、まだそれは自分で気を付ければ済む事。
それ以外でも、Winny対策等で今回と同様の仕組み(ディープパケットインスペクション)でプロバイダに監視されている訳ですが、あくまで限定的な範囲に限っての事。
ところが、今回は「プロバイダがユーザーの通信を全てを取得・分析し、その中から行動履歴(閲覧履歴、購買履歴、検索履歴等)を抜き出し、任意のインデックスとともに広告業者に売り渡す(もしくは内部のマーケティングに利用)事ができるようになる。」訳です。
これを活用すると「どこの誰かは判らないが(厳密に言えば、位置情報も含まれるので、もし付与されていれば○○県の○○市の誰か判らないけれどぐらいのレベル)今うちのサイトにアクセスしてきた人(パソコン)は、アダルト小説が好きなようなのでこのシリーズをお勧めしよう」とかいう事が可能になるわけです。
ここで問題になるのは二つ。
1.「プロバイダが行動履歴以外も取得できる事」
DPIの原理上メールの内容も取得可能ですし、取得されていてもユーザーには一切判りません。
プロバイダのモラルに依存している訳です。(大手だと、意図的ではなくとも試しに設定してみてそのまま忘れてたとか普通にありそう。)
まあ現在既に行われている可能性もある訳ですが、全部の通信を取得・分析するには大量のリソース(ディスク容量やら分析する電算機)が必要なので、スパイ活動が専任のプロバイダでもない限りは、商売化の可能性が無いところにそれほどの資金を投入するはずは無いので、現在はWinnyの監視等限定的と言って良いでしょう。
ただ商売化できるとしたら別です。
大手は資金を投入して、儲けようと躍起になる事でしょう。(特に導入に熱心なのはBIGLOBEとの事。)
2.「業者に渡した行動履歴が容易に個人情報になりうる事」
「行動履歴」と人(パソコン)を紐付けする「任意のインデックス」が肝なんですが、プロバイダ内では「任意のインデックス」と「個人情報」が紐付けできるので「任意のインデックス」は「個人情報」に該当するのですが、業者に渡した後は「任意のインデックス」は「個人情報」と紐付けできないので「個人情報」として扱われません。(任意のインデックスと個人情報を紐付けするデータベースが業者には存在しないため。)
でも、もしそのDBがプロバイダから流出したら?
もしくは、ショッピングサイトから「個人情報」とともに「任意のインデックス」が流出したら?
懸賞サイトとかで「個人情報」と「任意のインデックス」を紐付けして裏で売り出したりしたら?
警察が検索結果を購入して「ロリータ」「画像」「無修正」「ダウンロード」と検索した奴の「任意のインデックス」リストを作って、プロバイダにこいつらの個人情報を出せと迫ったとしたら?
任意のインデックスが無くても、もし添付されている位置情報がかなり詳細で、よくいる場所がかなり細かいレベルで特定できたとしたら?
どれも普通にあり得る事だと思いますがいかがでしょう?
以前、アダルトソフトを扱っているショップから、購入履歴も含む個人情報が漏れ、それがネットで検索可能になってしまったという恥ずかしい仕打ちがありましたが(私のは無いですよ?、笑)、それに近い(というかそれより酷いかもしれない)状態が容易に発生してしまう可能性が高いです。
それどころか、詐欺やら脅迫やら犯罪予備軍としての摘発に使われでもしたらと思うと、おちおちアダルト関連動画や画像の検索などしてられません=:[

・末期癌関連の検索や関連サイトを訪れた人宛に怪しげな宗教やら奇跡の水やらの案内が届く。
・お前の行動履歴を入手したぜ、○リコンという事をバラされたくなかったら以下の口座に金を振り込め!!
・突然「警察だ!!ここを開けろ!!児童福祉法違反の容疑で…」以下略。
ここまではまだしも(あまり洒落になってはいないが…)広告業者がパソコンやユーザープロファイルを限定しないでお勧めを表示したら、最初のような事は普通に発生します。(家族の行動履歴を元に「肥後ずいき」なんかが表示されて、自分がショックを受けるかも?)
いちおう情報の取得にはユーザーの同意が必要となっているが、勝手に規約が改定されてデフォルトオンになってたり、手続き取ってもそのまま取得され続けてたら厭なので、もしこの話が現実化して、契約プロバイダが導入したら、そこは解約するしかないなぁ…。
全てのプロバイダが導入して、受け皿が無くなったら…ネットの無い田舎に帰ろう…:[]
しかしこれって、「通信の秘密」の侵害だと思うんだが…?

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