前回は「単純所持」の危険性について触れてみた。
次に「児童ポルノサイトへの接続遮断」であるが、類似の案として「青少年ネット規制法案」がある。
技術的にやる事は同じで「不適サイトへの接続遮断」である。
どちらも同じような問題点をかかえているが、大きなポイントと思われるのは、
1.「不適サイト」リストに関わる問題
2.「不適サイト」の遮断方法に関わる問題
3.国民の知る権利の侵害
である。
私としては、適・不適にかかわらず通信を阻害された地点で「国民の知る権利の侵害」であると思うのだが、100歩譲って「不適サイト」のみ遮断するのはオーケーと仮定する。
では、「不適サイト」のみ遮断する事は可能かというと、技術的な問題で実際は不可能である。
例えば「不適サイト」がレンタルサーバ上に構築されていた場合、そのサーバからの通信全てを遮断したら、関係の無いサイトまでアクセス不能になってしまう。
また、「不適サイト」がHTTP以外のプロトコルでサービスされていたら、通常のフィルタ等では遮断できない。
「不適サイト」を十分に遮断できないわ、他を巻き添えにしてしまう確率が非常に高いわ、結果的にフィルタリング費用はユーザーに跳ね返ってくるわじゃ、たまったものではない。
また、「不適サイト」リストの正確性と透明性が確約できないのも容認できない点だ。
「不適サイト」リストの不備がどういうことになるかというのは、携帯電話の未成年者向けのフィルタが、災害用伝言板サービスのサイトまで弾いてしまったという笑えない実例があるので、理解していただけるだろう。
それと、うちのように「児童買春・児童ポルノ禁止法の改正」の問題点に触れるサイトを全部「不適サイト」として登録したらどうだろう?
ネット上には賛成の意見しかなくなってしまう。
これは立派な情報統制であり、世論操作である。(ある意味中国と同じ)
非常に危険だと思うのだが?
結論として「接続遮断」については、害の方が大きいと思われるので反対である。
最近、この件以外でも「臭いものには蓋」という考え方が多いような気がする。
自分たちには、臭いものをより分けて選別できる能力が無いと言われているようで、非常に不快なんですけど?
それどころか最近の政治は、「国民(ただし年収1000万以下)を臭いもの扱いしている」と思うのはうがち過ぎなのだろうか?