大体エージングも済んだと思われるので、軽く試聴をしてみたいと思う。
まず一聴して判るのは、ツィータの物凄い解像度。
しかも歪が少ないのか、耳障りな嫌な音がしない…凄いね、このT250Dというツィータ。
あまりにも素直に鳴るので、歪んだ高域を聴き慣れている人だと、むしろ物足りなく感じるかも(笑)
ウーハは、制動がよく効いている重みのある締まった音。
手持ちでサイズ的に近い、DCU-C171PPを使用したDCK-171と比較すると、音は対極に位置するように感じる。
DCK-171は、高域も低域も軽やかで、ふわりと音場が広がり、低音は量感たっぷりで朗々と鳴る、良くも悪くもバスレフの音。
Z800-FW168HRは、音に重みがある。
音場はDCK-171より狭めで、ユニットから音がストレートに飛んできて、打ち抜かれる感じ。
バスレフではあるが、ポートがうしろである事もあり、先のように直接音が多いため、バスレフっぽさはあまり感じない。(不思議な繊維シートが効いているのかもしれないが。)
何より、音に対するレスポンスが非常に良い。
連続する電子音のバスドラの音とか、破綻無く小気味よく刻まれる。(低音の締りが良いということになるのだろう。)
同軸のDCU-C171PPと比べ、定位の点で不利かと思ったが、ツィータを結構下の帯域から使っているためか気にならない。
再生帯域、鳴りっぷりはDCK-171も負けていないが、Z800-FW168HRと比較をしてしまうと、解像度、音質、低域の締り等、ユニットの質の違いが好みの差を超えて、Z800-FW168HRに軍配が上がる。
DCK-171も、一般的にはこれ以上を求めるのは酷なレベルなんだけど…PARCが物量投入のユニットに走ったのも判る気がする(笑)
ちなみに、FW168HRが若干能率が低いため、Z800-FW168HRは結構パワーを入れないと鳴ってくれない。
しかも嫌な音がしないので、ついついボリュームを上げてしまう。
現行のネットワークだとFOSTEXの保証外の使い方なので、ツィータを飛ばしてしまいそうで怖い(笑)
ともあれ、もう少しチューニングを進める必要はあるが、この鳴りっぷりなら、うちのリファレンスとして十分以上に活躍してくれる事であろう。