コピーワンス問題は、9回までコピー可で決着が付きそうだが、現行機種は結局非対応になるようだ。(救済策としてメーカーがどういう対応をするかはまだ不明)
これだけでも酷い話であるのに、一番酷いのは総務省がこれでハイビジョンDVDレコーダ等の使い勝手が良くなると思っている点だ。
使い勝手の悪さはコピー回数が原因ではない。
主要因1
ハイビジョンレコーダで作成したDVDが、世の中の多くのDVDプレイヤー/レコーダで再生できない
例えば、ある番組を録り忘れた友達に、DVDにコピーしてあげたとしよう。もらった友達は喜んで、そのDVDを再生しようとPS2に入れた…しかし映らない、なんで?
ハイビジョンレコーダで地デジ等を録った物は、CPRMというコピー防止技術対応のDVDメディアにしかコピーできない。CPRM対応のDVDメディアは、CPRM対応のDVDプレイヤーでしか再生できない。世界で一番売れているDVDプレイヤーであるPS2は、CPRMに対応していないのだ。
これはPS2だけの話ではない、Panasonicが今まで発売したDVDレコーダのうち、半分はCPRM対応のDVD-R/RWを再生できない。(PanasonicはDVD-RAMを推進していた関係もあるが。)
SONYも、2004年以前に生産されたDVDレコーダ/プレイヤーはCPRM非対応だ。
それらで再生可能なDVDを作成するには、ハイビジョンレコーダなのに、地デジではなく地アナ(地上アナログ)を録画しなければならない。
地デジを推進している総務省からすれば、本末転倒であるはず。
主要因2
ハイビジョンレコーダで作成したメディアから孫コピーができない。
携帯機器、例えばiPodに録画した番組を転送しようとした場合どうするか?
一般的には、まずパソコンに取り込んでから、圧縮してiPodに転送する事になるが、ハイビジョンレコーダで作成したメディアからの孫コピーは禁止であるため、パソコンに取り込むこと自体ができない。
パソコンに取り込みできないものが、iPodに転送できる訳も無い。
パソコンを介せず、ハイビジョンレコーダが直接iPodに転送できるようにならなければ、結局携帯機器には転送できないという事になる。
主要因3
完全なバックアップが作成できない。
主要因2とも通ずるが、孫コピーができないという事は録画データの完全なバックアップが作れないということだ。
メディアやレコーダが壊れたときのためのバックアップとして使う事は不可能だし、今後DVDに代わる記録メディアが出てきたとしても、それにはコピーできない。
完全に同じものが複製できるのがデジタルの強みなのに、それをスポイルされてしまってはデジタルである意味は無い。
唯一の方法は、ハイビジョンレコーダにマスターを残しておく事だが、いくらレコーダの容量が増えたとしても、全部は溜め込んでおけないし、ハードディスクが壊れたらそれまでだ。
まったく根本的な解決に至っていないのにもかかわらず、総務省はこれで論争は終わった(終わる)と思ってるんだろうか?総務省に確認したい。