コピーワンス問題でよくある根本的な間違い

コピーワンス関連の記事等を見ていると、根本的な間違いが存在している事が多い。
大嘘1 ハイビジョンレコーダでのDVDへのコピーは劣化しない。
よくDVDへのコピーはデジタルだから劣化しないとされている事が多いが、ハイビジョンレコーダ→DVDは劣化コピーである。
ハイビジョンの最大解像度は1920×1080ドット(地デジは1440×1080ドット)、DVDの解像度は720×480ドットである。
そのままコピーするのは不可能なので必ず縮小処理が入る。
音声も、映画が5.1チャンネル放送だったとしても、大体のレコーダはDVDに記録する際2チャンネルにダウンミックス(混合)して記録する。
要するに、CDからカセットテープにダビングするのと同じ劣化するコピーである。
ちなみに、ハイビジョンレコーダに録画したものはコピーガードがかかっており、録画した番組をVHSデッキにダビングできない。
元々劣化コピーですらできないようになっているのだ。
ところが、権利者たちはこの部分にはできるだけ触れないようにしている。そのため、技術に詳しくない記者等も勘違いしている事が多いようだ。
うがった考えをすれば、意図的な情報操作をしているとか、DVD品質程度で立場が揺らぐようなコンテンツしか製作していないので、非常にナーバスになっているのかもとか思ってしまう。
ちなみに劣化しないでコピー(現行はムーブしかできない)ができるのは、ブルーレイ・HD-DVD等次世代DVDや、D-VHS、RecPOT等一部の機器のみである。
大嘘2 コピー可能枚数を増やすと海賊版が増える。
録画番組をコピーして売る行為は犯罪である、これは間違いない。
では、録画番組をDVDにコピーする事は犯罪なのか?それは否である。ハイビジョンレコーダは、CRPMというプロテクトのかかった「私的録音録画補償金が乗っかっている」通常よりお高いDVDメディアにしかコピー(ムーブ)できない。
また、そのDVDメディアからさらにDVDにコピーする事はできない。
私的複製が現在0枚であるのを10枚にしたところでこの仕組みは変わらないため、ユーザーはコピーを作るたびに、必ず「私的録音録画補償金」を権利者に払うことになる。
きちんと金を払っている正規のユーザーを泥棒扱いするとは、酷い権利団体である。
以下のサイトの社団法人日本音楽事業者協会のコメントを参照のこと
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070712/soumu.htm
大嘘3 コピー可能枚数を増やすと非常に使い勝手が良くなる。
何をもってして使い勝手が良くなるか判断するのは難しいので、ここからは私見になる。
・iPodに転送できるようになるか?…△
パソコンに先のDVDの映像が取り込めないので、パソコン上のiTunes経由で転送する前提のiPodには転送できない。
レコーダがメモリーカードに転送する機能を持ったとしても、そのメモリーカードからのムープが禁止されているため、やはりムリ。
レコーダがiPodに直接転送する機能を持てば可能であろうが、可能性は低いように思う。
うがった考えをすれば、携帯電話や主流でないので仕様を変更しても問題が少ない国内の携帯音楽機器メーカーに、有利な状況を作り出す策のように思える。
・コピーを友達に作ってあげられるようになるか?…△
録画に失敗したので、友達にダビングしてあげるというのはよくある話であるが、それができるようになるか?と言われれば一応できる。
ただし友達が、先のCRPM対応のDVDプレイヤーを持っているのが前提である。
ちなみに、PS2はCRPM非対応である。2004年以前に作られたDVDレコーダやプレーヤーも同じ。
世の中の半数以上のDVD機器で再生できないDVDしか作れないということだ。
また、コピーはハードディスク上に録画した番組が残っている状態でしか作成できない。
DVDにコピーして、元を消してしまったら、手元にあるDVDからはコピーが作れない。
こういうのは使い勝手が良いと言うのだろうか?
私には、これ以上コピー枚数が増える事により使い勝手が良くなる例が見つからないので、もし、あるようなら知らせて欲しい。
コピーワンス問題はまだまだもめそうである。
この際、大もめにもめて、根本的な見直しを図ってもらえればありがたい。(まあ今の状況じゃムリっぽいが…。)

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