ダビング10に乗じて、iPodやHDDレコーダーから私的録音録画補償金を徴収しようとする権利者団体だが、iPodは(直接ダビング10と関連が無いため)論外としても、今までビデオデッキに私的録音録画補償金がかかっていた関係上、HDDレコーダーからも徴収したいというのはわかる。
ただ、HDDレコーダーの主な利用目的がタイムシフト(視聴する時間をずらす)であり、それについては権利者に不利益を生じさせているとは考え辛いため、一律に私的録音録画補償金を徴収しようとするのは無理がある。
かといって、保存目的の録画とタイムシフトの録画を厳密に区別できないので、先の通り保存目的の先にあるメディアに対して、私的録音録画補償金をかけるのが筋であろう。
それに絞っての話であれば、個人的には特に異存は無い。(私的録音録画補償金の流れをもっと明らかにして欲しいという要望はあるが。)
いつの間にやら権利者対メーカー(消費者)の構図になってしまい、コピーワンスも権利者が提案したもののようにされてしまった事には、素直にご愁傷様と言っておこう。(まあ、普段の行いのせいでもあるんだけどね。)
さて、前述の通り諸悪の根源(もはや規格ですらない)である「コピーワンス」を作った当事者は実は権利者ではない。
権利者が望むからと、ある意味勝手に「コピーワンス」を作り上げたのは「放送業界」と「メーカー」である。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0711/06/news033_4.html
問題なのは叩きやすい「権利者」が表に出てきてしまったため、元凶である「放送業界」が隠れてしまったことだ。
論争に関わっている人たちは、そのへんのところをもう一度良く考えて欲しい。
ちなみに「放送業界」関係者は「コピーワンス」について、言うに事欠いて「放送は生で見るものです。アサクラサン」などと言う迷言を遺している。
要するに「放送業界」としては、放送は生で見るもので録画すらさせたくないらしい。
確かに、クイズ番組とお笑い芸人のバラエティしかないゴールデンタイムなぞ、録画するどころか見る価値があるかどうかすら怪しい。
そんなに自信があるのなら、全番組コピーネバーで放送すれば良いと思うのだが?(さすがにそんな度胸は無いと思うが、笑)
娯楽の増えた現在、表示装置としてのテレビがあれば特に困らないということを「放送業界」はもっと自覚すべきだろう。(行き着くとこまで行き着いて、業界再編となったとしても、それはそれで面白いが、笑)
話がそれてしまった。
結局一番無難なのは「コピーフリー」に戻した上で、録画に関わる「私的録音録画補償金」の徴収を飲む(もちろん、私的録音録画補償金の流れをもっと明らかにする事が前提だが。)案ではないかと思うのだがどうでしょう、ミナサン?