パソコン用後付地デジチューナカードは使い物になるか?

地デジ対応機器の普及率の悪さと、コピー制御無反応パソコン用受信機(いわゆるフリーオ)対策で、パソコン用地デジチューナーカード(後付品)の発売が解禁になりました。
アナログ時代は、非常に便利に使えたチューナーカード(TVキャプチャカード)でしたが、このデジタル時代使い物に………ならんやんか、ボケぇっ!!
なぜかと言うと、以下はDpaが示したパソコン用デジタルチューナーカードのガイドラインを見れば一目瞭然。
http://www.dpa.or.jp/images/bs/PCtuner-guideline1.0.pdf
要は著作権保護を優先し過ぎるあまり、視聴するための敷居が非常に高いうえ、パソコンならではのメリットをほぼ全て削がれてしまっているから。
以下は、ガイドラインに沿った製品を出しているメーカーが用意した視聴可能かどうかをチェックするツールである。
http://movie.buffalo.jp/buf-mov/pcastdigist/pcastdigist.exe
これで視聴可能と判定されるパソコンは、全体のうち果たして何割だろうか?
ちなみに、うちにあるパソコン4台全部不可だった。
理由は簡単、著作権保護に対応したビデオカードとディスプレイの組み合わせで接続していないから。
一番酷いのはメインマシンで、ディスプレイはHDCP対応DVI入力付きの液晶モニタなのだが、ビデオカードが、GeForce7600GTのHDCP未対応品のため不可。(能力的には全然問題無いにもかかわらずだ。)
しかしこのカード、まだ発売されてから2年経ってないんだよ?
下記のページに「■地デジ映像の画面出力対応表」というのがあるが、
http://buffalo.jp/products/catalog/multimedia/chideji/dt-h30_u2/index.html?p=spec
さまざまな組み合わせのうち「○」なのは三つしかない。こんなんじゃ、大半のパソコンは対象外ですわ。
運良く視聴可能な環境であったとしても、更に立ちはだかる制限の壁が…。
1.録画したファイルは暗号化され、録画したパソコンと地デジチューナーカード固有の組み合わせでないと再生できない。
固有というのが曲者で、地デジチューナーカード一枚一枚区別されるため、カードが壊れて同じ型の地デジチューナーカードを用意しても、以前録画したファイルは再生できない。
また、パソコンを厳密に区別するための固有情報というのは一般的に存在しないので、インストール時にどこかに判断するための情報を書き込むと思われるが、それが無くなると再生できなくなる可能性が高い。
下手すると、再インストールでせっかく録った番組が再生不能になる可能性も否定できない。(それどころか、録画したハードディスクから移動しただけで再生できなくなるという製品もあるぐらい。)
2.編集しようにも編集手段が無い。
CMカットしようにも、独自の暗号化がかかっているため市販の編集ソフトでは編集できないので、メーカーがツールを提供してくれるのを待つしかない。
一応どこも編集用ソフトを提供する旨言っているが、一般の編集ソフトをカスタマイズしたものになるのか、完全にオリジナルなツールになるのか不明。
ただ、ガイドラインに沿って真っ当な実装をしようとすると録画したファイルを直接書き換える必要があるため、一般の編集ソフトに手を入れるのは難しいであろう。(GOP単位で編集する、オリジナルのツールを提供するのがせいぜいと推測。)
3.外部メディアに保存できない。
各社とも対応予定にはなっているもののせいぜいDVDだ。(バッファローの一種のみBD対応予定。)
今のところ、iPodや携帯電話等に転送できるものは無い。
これもガイドラインに沿うと、コピーワンスの場合(世の中の地デジの放送ほぼ全てである)DVDに書き出すとパソコン上のファイルは消されてしまう。(ダビング10対応後は9回まで可能になるだろうが…。)
多分DVDといっても、著作権保護のためCPRM対応メディアが要求されると思われる。(PS2では再生できないし、リッピングも基本的には不可。)
各社の機能の違いは以下のサイトをチェック
■ 各モデルの特徴をチェック
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080430/pcdigi.htm
こんなんで何をしろと?(笑)
せいぜい、最初から大容量のハードディスクを用意して、容量の大きいハードディスクレコーダ代わりに使うぐらいか。(にしたところで、Wチューナ対応カードはまだ存在しないのでそれほど大容量のハードディスクが必要とは思えない。)
このために、ディスプレイやビデオカード、下手したらパソコン買い替えなんて馬鹿らし過ぎるし、そんな出費をするぐらいなら、地デジ対応レコーダとハイビジョンキャプチャカードの組み合わせの方が使い勝手が良い。
しばらくは様子見が無難と思われる。(大穴が見つかって大ブレイクという可能性もあるが、笑)

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