さて、引き続きPCM2704+ASIO4ALLの転送テスト。
せっかくなので、今回はCDのリッピングから転送までという事で、適当なアルバムの一曲(3分強)をEACでWAV形式でリッピング、先の手順で再生・録音してできたWAVファイルと照合してみた。


結果
・CD上のデータとリッピングしたWAVファイルはバイナリ一致。
・リッピングしたWAVファイルとWAVファイルをPCM2704+ASIO4ALLで出力したS/PDIF信号を録音したWAVファイルもバイナリ一致。

少なくともうちの環境では、Lilith+PCM2704+ASIO4ALL+安ケーブルの組み合わせでも、データの欠落無しで転送できている(CDの信号を劣化無く出力できている)ということです。
ならば、
・転送モードがアイソクロナス転送でもデータを欠落させずに転送できる。
・電気的特性、光学的特性、正常な接続状態がクリアできていれば、安価なケーブルでもデータの欠落は発生しない。
訳で…う〜ん、高級USB関連商品メーカー・販売店に、音質が良くなる理由を論理的に説明して頂きたいですね![]()
少なくとも、自分で試聴して購入した方が良さそうですな。![]()
まあデータ転送結果のみでの話であるので、音質うんぬんを言うのであればジッタ対策やアナログ回路へのノイズ対策は必要でしょうが、リッピングデータをメモリバッファ搭載のDACで再生するのであれば、DDCはPCM2704で十分かも?![]()
まあ最終的な判断は各人でね![]()
「オーディオの話題」カテゴリーアーカイブ
PCをトランスポートにするその7(PCM2704+ASIO4ALLの転送テスト)
現在手元にあるUSBオーディオ機器は、件のHiFaceとPCM2704利用の自作品、EDIROL UA-25がある。(あと正体不明の低価格5.1chサウンドユニットはあるが、デジタルアウトが無いのでトランスポートとしては使えない。)
HiFaceは専用ドライバ、UA-25はASIOに対応したドライバがあるので、Windowsのカーネルミキサーを経由せず(リッピングしたデータのまま)USBオーディオ機器に転送できる。
ただUA-25は、動作安定化のために音声データの生成クロックがPCのクロックから作られており、ピュアオーディオ用途にはあまり向かないのでは?と思われる。(高音質化のために、生成するクロックに対して色々手を加えてあるようだが。)
PCM2704は、Windows標準ドライバでカーネルミキサー経由での接続になるので、本来ならアウト。(カーネルミキサー経由でも条件が揃えば無加工で出力できるのだが、その筋の人は納得しないようなので今回はあえてスルーする、笑)
ところが世の中よくしたもので、USBオーディオ機器を無理やりASIOに対応させるASIO4ALLなるドライバが存在する。
これが真っ当に動けば、PCM2704もカーネルミキサーを経由せず、対応する周波数(32KHz、44.1KHz、48KHz)について無変換で転送が可能ということになり、安価なDDCとして使えるという事になる。
そこで実際に転送テストをしてみる事にした。
ちなみにこのテストは、アイソクロナス転送でデータ化けするかのテストにもなる。(PCM2704はアイソクロナス転送なので。)
オーディオ向けUSB機器の広告のなんかで、そのUSB機器が良い理由の一つにアイソクロナス転送でない事が書いてあったりするけど、エラー訂正の必要が無ければ関係ない話である。
ついでに安ケーブル使って、高級ケーブルへのアンチテーゼにしてしまおう(笑)
ということで、PC-A、PC-B二台のPCを用意して、PCM2704をASIO ALLをインストールしたPC-Aに接続。
UA-25はPC-Bに接続し、PCM2704の光出力端子をUA-25の光入力端子に接続する。
そうすると以下のような接続形態になる。
PC-A→USBケーブル→PCM2704→光ケーブル(S/PDIF)→UA-25→USBケーブル→PC-B

接続に使用したUSBケーブルと光ケーブルは、どこで買ったか忘れたが数百円程度の安ケーブル。(規格には沿ってますよ、もちろん。)
この状態で、PC-AでLilithでWAVデータを再生し、

PC-BでREAPERで録音する。

無劣化であれば、PC-Aで再生したWAVデータとPC-Bで録音したWAVデータは一致するはずである。
まずは、スイープ信号の入った6秒程度のWAVデータ(44.1KHz、16Bit、モノラル)を再生&録音してみた。
照合ソフトはこの手のテストで有名なWaveCompareを使う。(音声データの前後の無音部分を自動的に省いて照合してくれるので便利。)
さて結果は………おお、バイナリ一致!!

頭では判っていたが、実際に一致すると嬉しいなぁ(笑)
さて、次はもう少し長いWAVデータでテストしてみるかぁ。
PCをトランスポートにするその6(New HiFace発売?)
前の書き込みでM2TECH HiFaceの問題点を記載した。

要は、HiFaceが出力するS/PDIFフォーマットのCHANNEL_STATUSに、サンプリングレートの情報が載っていないため、DACによっては再生速度がおかしくなってしまうというもの。
日本の代理店に問い合わせしたところ「問題点は把握しておりドライバの改良を進めている」旨の回答を得たが、二ヶ月近く経ってもリリースされない。
そのため、直接M2TECHに問い合わせてみたところ、こういう回答が返ってきた。
「ドライバではなくハードウェア上に問題があるので、一月後に新しいバージョンのHiFaceをリリースする予定である。」
ドライバではなく、少なくともファームウェアのアップデートは必要と思っていたのでやっぱりなと言うところ。
そういう訳で、新しいバージョンがファームウェアの事を言うのか、物理的な改良を言うのかまでは確認していないが、少なくとも新バージョンが発売されるまではHiFaceは買わない方が無難なようだ。
ところで手元の旧バージョン、物理的な改良だったら交換してくれるんだよね?![]()
脳内妄想:SACDが無くなる?
SACDは、CDより高音質ということで鳴り物入りで投入されたが、結局普及に失敗。
失敗の原因は、大多数の人はそこまでの高音質を求めていなかったという事ではないかと思う。
私的には、厳しすぎるコピー制御(携帯機器に転送はできないわ、外部DACは繋げられないわ等で使い勝手が悪すぎ)も一因の一つだと思っている。
最初からCDを置き換える前提で、CD/SACDのダブルレイヤーで、携帯機器やPCへはCD部分で対応なんて状態だったら結構違ってたかもしれないけどね。
一応それでも、高音質というメリットだけで細々とオーディオマニア向けのフォーマットとしてなんとか生き残ってきたが、そろそろ存続自体が危なくなってきたようだ。(CD自体の生産も半減している状態で、CD以外のフォーマットなど対応してる余裕は無いのだろう。)
まあ失敗して撤退するのはやむを得ないが、問題になるのは購入済みのソフト。
音源を移行しようにもコピー制御が厳しくて、リッピングはできないわデジタルコピーはできないわで、プレイヤーが壊れたらせっかく買ったSACD(音源)がただのゴミになる。(アナログコピーはできるが、それでは本末転倒だ。)
まあ、著作権利者側は、新フォーマットが出たら全部買い換えして欲しいのだろうけどね。(料金の二重取りだと思うんだが…。)
撤退の際には、SACDをリッピング可能にするソフトを公開するとか、遺恨を残さずに幕引きして欲しいところ。
そうなったら、逆にSACDが盛り上がってしまうといった事態になりそうな気もするけど(笑)
いずれにせよ(著作権利者側の意向で)著作権保護を強固にしたいのは判るが、フォーマットを提供する側はもう少し広い視野で、ユーザーの使い勝手や、将来新しいメディアが普及した場合のユーザー資産の移行も加味してコピー制御を考えて欲しいものだ。
PCをトランスポートにするその5(HiFaceの問題点)
ということで、PCをトランスポートにするうえで、非常にコストパフォーマンスが高いHiFaceであるが、うちのDACで使用しているElectrArtのSDRAMメモリDAIとの組み合わせでは、バッファを有効にすると44.1kHzの曲が早回しになってしまうというトラブルが発生している。(48kHzを越えるサンプリングレートの曲だと逆に間延びしてしまう、笑)
これは、HiFaceが生成するS/PDIFフォーマットのCHANNEL_STATUSに、サンプリングレートの情報が載っていないのが原因。(CHANNEL_STATUSにサンプリングレートの情報が載っていないのはHiFaceのサポートに確認済み。)
SDRAMメモリDAIは、入力された音楽データをメモリに一旦貯め、DAI上の独立したクロックでデータをDACに送り込む事でジッタを低減する。
その際の送り出し周波数の決定は、入力されたS/PDIFフォーマットのCHANNEL_STATUSを参照している。
SDRAMメモリDAIは、その情報が見つけられなかった場合には48kHzのクロックでDACにデータを出力してしまうようで、44.1kHzの曲では早回し、48kHzを越える曲では間延びとなってしまう訳だ。
SDRAMメモリDAI側で、出力周波数を外部から指定出来れば(使い勝手が悪くなるものの)使えるようになるのだが、どうもそのような改修は難しいようで…。(元々88.2kHz以上は指定できるので、PC上でアップサンプリングしてから出力という手もあるんだけどね。)
なお、同様の仕組みを持ったDACは同じようなトラブルが発生する可能性があるので、注意されたし。
もっとも、元々はHiFaceがCHANNEL_STATUSにサンプリングレート情報を載せないのが悪いって事になるのだが、サンプリングレート情報を載せると192kHzの伝送が難しくなるという事情があるようで、痛し痒しといったところ。
ドライバの改善は進めているようですが、とりあえず既存のドライバと、接続性を優先した上限96kHzのCHANNEL_STATUSにサンプリングレート情報を載せてくれるドライバと二種類リリースしてくれるとありがたいんだがなぁ…。
まあM2TECHが「HiFaceにはメモリバッファは不要だ!!」なんて突っぱねるようなとこじゃなくて良かった(笑)